OS/2 Warp4.0の再インストール全行程 |
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再インストールに先立ち、現在の環境のバックアップと各種デバイスドライバディスケットの作成を行いました。
バックアップしたのはMDOSディレクトリ、ソフトウェアやデータをインストールしたディレクトリ、EMX, TCPIP、ホームディレクトリです。
それから、最新版のDeviceDriversPack (OS/2 Magazine付録のCD-ROM等に収録) からFujitsu MO用デバイスドライバディスケットを作成しました。あと、フィックスパックを集めます。フィックスパックはOS/2 Magazine付録のCD-ROMに入っていますが、一部は予めディスケットに展開する必要があります。Video FixPackとMPTS FixPack(WRJ8423)のディスケットを作成しました。
最新のフィックスパックは以下から入手できます。
http://www.ibm.co.jp/aspc/fixpak.html
もし8.4GBを超える容量のHDDを使用する場合、予めCSDをあてたインストールディスクを作成しておく必要があります。
OS/2のインストールディスケットとCD-ROMをワークステーションに入れ、再起動してセットアッププログラムを起動します。
まず最初に「基本インストール」か「拡張インストール」かを聞いてきますので、「拡張インストール」を選択します。
次にインストールパーティションを選び、フォーマットします。ファイルシステムの選択について聞かれるので、HPFSを選びましょう。Unix系のツールはロングファイルネームが多く、HPFSにしか導入できません。
フォーマットが終了するとメンテナンスデスクトップとインストールプログラムがハードディスクに導入されます。これが終了したら、インストールプログラムの指示通りにワークステーションを再起動します。
再起動すると、SCSIやVideoなどのハードウェア構成を設定する画面になります。最近のハードウェアはほとんどが自動認識されますので、ここは確認するだけで特に問題はないと思います。後で再導入可能なので、ビデオカードなどが自動認識されない場合はとりあえずVGAにしておくと良いと思います。
プリンタについては、この段階ではダミーのドライバである「IBM NULL Printer Driver」を導入することがお奨めです。プリンタドライバは最近一部についてアップデートされ(FX00505P)、これについては後で入れる方が楽です。
富士通のMOドライブの場合、OS/2付属のMOドライバ(Optical.drv)ではうまく動作しません。これについても、OS/2のインストールが終わった後にDDPackのドライバを別にインストールする事にします。
ほとんど「省略時設定」で問題ありません。
インストールする機能やソフトを選択します。必要なものは後で足せますが、削除するのは面倒なことが多いので、この段階では必要最小限のみに留めるのがコツです。
「デスクトップに既存のプログラムを追加する」というチェックを外します。特にハードディスクをフォーマットした直後は既存のプログラムが何もないので、スキャンする時間が無駄です。
ウィンドウには「OS/2 Warpのセットアップとインストール」と表示されています。
使用するネットワークサービスを選択します。今回は「ファイル及び印刷クライアント」と「TCP/IPサービス」を選択しました。特に前者はインストール後に設定するプログラムがやや不親切なため、インストール時に設定してしまった方が楽です。これを導入することによって、既存のOS/2またはWindows 95, 98, NTによるネットワークでの資源の共有が可能になります。
その後、「構成」というウィンドウでネットワークの設定を行います。
□---- OS/2 Warp | ----□ ファイルおよび印刷共用サービス (1) | | | ---- ファイル及び印刷共用のネットワーク・アダプタ (2) | | | ---- ユーザーIDおよびパスワード (3) ----- TCP/ IP サービス (4) | ----- ネットワークアダプタおよびプロトコル (5)
以下の項目を設定します。
確認のみでいいと思います。
(3)ユーザーIDおよびパスワードNetBIOSネットワーク上でのユーザーIDとパスワードを設定します。既存のOS/2ないしMicrosoft Networkの資源にアクセスしたい場合は、OS/2 Lan ServerまたはWindows NTでの自分のID・パスワードと同じに設定します。ただし、WindowsNTと違って、OS/2のパスワードには特殊符号 (スラッシュやシャープなど)を入れることはできません。もしWindowsNTのパスワードにこうした符号を入れている場合はOS/2からアクセスできなくなるので、注意が必要です。
(4)TCP/IPサービスDHCPが動いていないネットワークの場合、以下の項目を設定します。
マシン独自の設定は「TCP/IPアドレス」と「ホスト名」で、他はネットワーク毎に設定が決まっています。これらについてはネットワーク管理者の指示に従って設定します。
(5)ネットワークアダプタおよびプロトコルの設定この段階で、画面には使っているネットワークアダプタと、2種類のプロトコル(TCP/IPとNetBIOS)が表示されていると思います。
当LANでは裸のNetBIOSの使用は許可されていないので、まずプロトコルの追加で「IBM OS/2 NetBIOS over TCP/IP」を追加し、それから「IBM OS/2 NetBIOS」を削除します。
次に、プロトコルの詳しい設定を行います。「IBM OS/2 NetBIOS over TCP/IP」を選び、「設定」ボタンをクリックするとプロトコルパラメータの設定画面が表示されます。この中で設定するところは、「NetBIOSネームサーバーアドレス」および「バックアップNetBIOSネームサーバーアドレス」です。このアドレスはネットワーク管理者に聞く必要があります。Microsoft Networkに接続する場合、このアドレスはそれぞれ「プライマリWINSサーバー」「セカンダリWINSサーバー」と読み代えて設定します。
ここまで終わったら、「インストール」を選択すればHDDにコピーを開始します。「アダプタのデフォルト設定を使う」でほとんど問題ありません。
選択後、またハードディスクへのコピーが開始されます。この後、インストールプログラムによって2回リブートされました。
「OS/2にようこそ!」のウィンドウが出るので、「このウィンドウの削除」を選択します。
「Get Netscape Navigator」などの要らないオブジェクト(あとでComminucator 4.61を入れるから)を整理します。
DeviceDriversPakから作成してディスケットにしたFujitsu製MOドライブ用ドライバを、「ワープセンター →設定 →インストール/削除 →デバイスドライバーのインストール」からインストールしました。その後、システムを一旦終了させます。
Video FixPakを適用するためには、一度VGAモードに戻す必要があります。そのため、再起動時、ブートマネージャーを出たらすぐに「Alt + F1」キーを押して「回復選択」メニューを出し、F3キーを押してVGAモードを選んで起動します。立ち上がったら、Video FixPakのディスケットをA:ドライブに挿入し、OS/2コマンドプロンプト(窓でも全画面でも可)からSETUPコマンドを実行します。
A:SETUP A: (OS/2 をインストールしたドライブ)適用が終わると、システムによって再起動されます。
その後、デスクトップの「OS/2 システム」フォルダーの中の「システム設定」フォルダーの中の「ディスプレイドライバーのインストール」プログラムを実行し、自分が使うディスプレイドライバを選択します。解像度やモニターのパラメーターは、「システム設定」の中の「システム」オブジェクトで行います。
この原稿執筆時のOS/2 Warp 4.0用サービスパックの最新版はFX00505です。
サービスパック適用にあたっては、起動しているプログラムやデーモンを予め全て終了させておく必要があります。
OS/2 Magazine, OS/2 World等のOS/2関連雑誌には、このサービスパックが収録されたCD-ROMが付録しています。OS/2コマンドプロンプトで、FX00505が収録されているディレクトリに移り、SERVICEコマンドを実行します。
その他、JR11987, JR12068, JR12624, JR12048, JR12961, JR12296, JR12925の各サービスパックを適用しました。
サービスパックを適用したら、再起動します。
デスクトップの「OS/2システム」フォルダー→「システム設定」フォルダーの中の各オブジェクトをカスタマイズします。
重要なのは「TCP/IPの構成(LAN)」ノートブックの設定です。インストールプログラムで設定できる項目はとても限定されているので、このノートブックで再設定しないとTCP/IPのコマンド群を満足に使うことはできません。
「拡張オプション」ボタンをクリックし、「同報通信アドレス」を指定します。「同報通信アドレス」についてはネットワーク管理者に予め問い合わせる必要があります。
インストールプログラムではネームサーバーを一台しか指定できませんでしたが、ここで3台まで指定できます。
また、2ページ目では、ネットワーク上でよく使うホストの別名を登録できます。
inetdの「自動始動サービス」チェックボックスをチェックし、「全景セッション・最小化」で自動始動するようにします。
telnetdも「自動始動サービス」にし、「inetd スーパーサービスデーモン」で起動するようにします。
telnet で入るときのユーザー名を設定します。
telnetパスワードを設定します。
その他、マウススピードや解像度等を設定します。システム設定が終了したら、再起動します。予めバックアップされていたEMX, TCP/IP, DATA, USR, HOME等をMOから復帰しました。
いくつかのツールについては、再導入します。Watchcat, Atok8を再導入しました。
NPSWPS, Pmvd, xinit, OS2_NPTD, lprmon(ネットワークプリンタを使うためのデーモン)等はシャドウを作成し、「OS/2システム」~u始動項目」にコピーします。
ツール類の導入に伴い、Config.sysの修正を行いました。
修正した箇所・ SET RESTARTOBJECTS=STARTUPFOLDERSONLY SET SCUSEPRETTYCLOCK=YES ・ LIBPATH=・・・・D:\EMX\DLL; SET PATH=・・・・D:\EMX\BIN;D:\USR\LOCAL\BIN; ・ REM *****X-WINDOWS SETTING rem DEVICE=D:\XFree86\lib\xf86sup.sys SET TERM=ansi SET EMXETC=D:\EMX\ETC SET EMXBOOK=EMXRT.INF SET TMPDIR=D:\TCPIP\TMP SET TERMCAP=D:/emx/etc/termcap.x11 SET ETC=D:\TCPIP\ETC SET LOGNAME=rin SET USER=rin SET HOME=D:\usr\home SET X11ROOT=D: SET XFILES=d:\tcpip\x11 SET DISPLAY=jade:0.0 rem SET XSERVER=D:/XFree86/bin/XF86_S3.exe REM ***** ・
展開したディレクトリで、install.exeを実行します。
以上終わったら再起動して、Netscape Communicatorの設定をします。重要な点は、JDK1.1.8の機能のうち、JITをOFFに設定することです。Netscape Communicatorの「編集」~u設定」メニューから「OS/2設定」をクリックし、「IBM Java拡張プロパティー」を設定します。Javaオプションのパラメータに、「-nojit」を指定します。
OS/2は強固なシステムですが、Windowsについては3.1そのものであり、余計なものをインストールしてしまうと不安定になります。Windows環境を整える前に、何も導入されていない純粋なWindows環境を、その上位パスの「MDOS」ディレクトリごとバックアップをとっておくことをお奨めします。
OLE対応のソフトを導入するコツは、上位バージョンのOLEを要求するソフトから先に導入することです。私はACCESS 2.0, MS-OFFICE 4.2, Micrografx Designer Power Packの順に入れ、Designerのインストール時には「OLEを更新しない」を選択しました。「Share.exe」とかを要求されてしまうと、OS/2ではなす術がないです。
その他、必要なソフトやプリンタドライバ、MIDIドライバ等を導入しました。
その他、OS/2のプリンタドライバをサービスパックFX00505PやDDPakから導入したり、細かい設定やデスクトップオブジェクトの登録等を行い、ほぼ復旧したのが作業開始翌日の昼過ぎになりました。そこで現状の環境を全てMOにバックアップしました。
一度安定してしまうと、OS/2はちょっとやそっとでは落ちません。サーバーを起動している関係で24時間、365日通電で、さらに卒論・修論・博論と酷使していますが、マシントラブルで再起動まで追い込まれるのは半年に数回あるかないかです。
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