Debian 2.0(Hamm)のNIS・ NFSによる、FreeBSD2.2.6の資源の共有 |
最終更新:
FreeBSDマシンをサーバーとして、ネットワーク上のDebian GNU/Linuxマシンにユーザー情報をNISで提供することにより、ユーザーの一元管理をすることができます。
また、NFSでホームディレクトリとメールスプールを共有することにより、各ユーザーも同じ環境でワークステーションを使うことができるので便利です。
ハッキリ言って、作業自体はものすごく楽です。FreeBSD2.2.6のサーバー側の設定さえ終っていれば、あっと言う間に終ります。
作業内容としては、以下の通りです。
FreeBSD側のNFS, NISサーバーの設定をしましょう。
注意する項目は2つあります。
nfsというファイルシステムは、Linuxではカーネルモジュールによって実現されます。したがって、nfsを使うためにはnfsのモジュールをインストールしなければなりません。
手動で後から入れてもいいのですが、nfsを使う事が予めわかっている場合は、OSのインストール時に入れてしまうのが楽です。Debian 2.0のインストーラーはHDDのパーティションと初期化の後、OSカーネルとモジュールのインストールを行います。その後、Configure Debice Driver Modulesという項目でモジュールの組み込みを行います。ファイルシステムから、nfsを選んで組み込んで下さい。スイッチは特に指定する必要は無いようです。
Debian 2.0のインストーラーでは、rootのパスワードの設定後にshadow passwordを導入するかどうか聞いて来ます。もちろん後からでも簡単にshadow passwordのON/OFFを設定することは出来ますが、一番最初にするに越した事はありません。
NIS, NFSを使って他のアーキテクチャーのマシンと資源を共有する場合、shadow passwordはOFFにします。
dselectを用いて、nisをインストールするだけです。本原稿執筆時のHamm用nisパッケージのバージョンは3.2.1-3です。
インストール時にdselectのConfigurationで、nisのドメインネームを聞いて来ます。ここでサーバー側で設定したドメインネーム( /etc/rc.confの、nisdomainnameの値)を入力して下さい。もちろん、インストール後domainnameコマンドで設定しても構いません。
一通りインストールが終ったら、再起動します。
vipwコマンドで、パスワードファイルの末尾に
+::::::
を追加します。
同様に、/etc/groupファイルの末尾にも
+:::
を追加します。
ypcatコマンドで、サーバーからpasswd, groupの内容が送られてくるかどうか確認して下さい。
#ypcat passwd #ypcat group
クライアント側で設定する項目は以下の通りです。
以下の行を追加します。
サーバーのマシン名:/var/mail /var/mail nfs hard,fg,rw 0 0 サーバーのマシン名:/home /home nfs hard,fg,rw 0 0
/var/mailにシンボリックリンクをはります。
#ln -s /var/mail /var/spool/mail
DebianのシェルのパスはFreeBSDとは異なります。従って、FreeBSDのパスワードファイル内で指定されたシェルをシンボリックリンクで作成しなければログインできません。
#ln -s /usr/bin/tcsh /usr/local/bin/tcsh (同様に、使うシェルをシンボリックリンクする)
以上、終ったらマウントします。
#mount -a
ypbindを再起動します。
#kill -HUP `cat /var/run/ypbind.pid`
クライアントマシンからログインして、サーバーマシンと同じパスワードでログインでき、サーバーマシンのホームディレクトリがそのまま使える事を確認して下さい。
実際に使用する上では、実行ファイル等のパスがFreeBSDとDebianで若干異なるため、.cshrcや.xinitrc、.emacs等はFreeBSD用とDebian用と別々に用意する必要があるかもしれません。それぞれのマシンの/usr/local/bin以下に、そのマシン専用の環境設定ファイルに置き換えるシェルスクリプトを準備しておき、.loginで実行する様にしておくと便利です。
COPYRIGHT 1999 Hiroki Hayashi ALL RIGHTS RESERVED.